代謝が悪いから太りやすい、代謝が良いから痩せやすい。

このように「代謝」という言葉を、私たちは日常的に耳にする。

しかし、その意味をきちんと理解している人は少ないように思う。

そこで、今回は「代謝」という言葉の意味と、ダイエットおけるその重要性について分かりやすく解説していく。

そもそも代謝ってなに?

代謝とは「体の中でおこなわれる栄養素の分解や合成のこと」である。

だが、これだといまいちピンと来ない。簡単に「カロリー(エネルギー)が使われること」くらいに覚えておけば大丈夫である。

ただし、代謝と言っても、基礎代謝や活動代謝、新陳代謝など、さまざまな種類がある。ダイエットやボディメイクでよく言われる代謝は「基礎代謝」を指す。

なので、例えば「代謝が良い」ということは、基礎代謝が高いことを意味する。

基礎代謝ってなに?

では、基礎代謝とはなんなのか。

簡単に言えば「なにもしていない時に消費されるカロリー」のこと。

「え?なんで、なにもしていないのにカロリーが消費されるの?」と疑問に思うかもしれない。

実は、私たちが1日に消費するカロリーのうち、約70%が基礎代謝によるものなのである。つまり、1日中なにもしていなくても1日の70%のカロリーが基礎代謝によって消費されているのである。

例えば、1日に2000kcal消費する人がいるとする。そのうちの1400kcalほどは自然に消費されているのである。(2000kcal x 70% = 1400kcal)

なぜ自然にカロリーが消費されるの?

ここからが大切な部分。なぜ自然にカロリーが消費されるのか?

実は、「なにもしていない」というのは、私たちがただ意識していないだけの話であって、体は裏できちんと働いているのである。

その証拠として、基礎代謝の内訳を見てみよう。

筋肉や肝臓、脳、胃腸、心臓などは、私たちが意識していないでも24時間働いているのである。

これは当たり前の話である。寝ている間に心臓が止まってしまったら死んでしまうからだ。

そして、心臓が動くにもエネルギーが必要になる。車を運転するのにガソリンが必要なのと同じ。ちなみに、この場合のエネルギーとは、体に蓄えられた糖や脂肪のことである。

私たちがソファに座ってテレビを見ている時も、ベッドの中で夢を見ている時も、心臓はエネルギーを消費しながら働いているのである。

このように、脳や臓器による代謝は、人間の根幹であり、生命活動に必要なものである。人間にとっての基礎的な代謝ということで「基礎代謝」と呼ばれるのである。

消費カロリー全体の70%が基礎代謝によるのだから、それだけ重要なポジションを占めているということなのだ。

なぜ基礎代謝が高いほうがいいの?

そして、基礎代謝が高いほうがダイエットでは有利とされている。

これはなぜなのか?

それは、基礎代謝が高いほど自然に消費されるカロリー量が多いから。

例えば、基礎代謝が1,400kcalのAさんと、1,450kcalのBさんを例にしてみよう。

【基礎代謝】
Aさん:1,400kcal

Bさん:1,450kcal

Bさんのほうが、1日あたり50kcal多くカロリーを消費していることになる。

「たったの50kcalでしょ?」と思いがちである。しかし、1ヶ月で約1,500kcal、1年でなんと約18,250kcalもの差が生まれるのである。

これは、どのくらいのダイエット効果なのだろうか。

体脂肪は1kgあたり、7,200kcalのエネルギーを持つと言われている。つまり、18,250kcalということは、1年で約2.5kgの体脂肪が消えることになるのだ(18,250kcal ÷ 7,200kcal)。

基礎代謝がたった50kcal高いだけで、なにもしなくても1年で2.5kg痩せることができるのだ。5年で12.5kg痩せる計算になる。

では、Aさんはどうだろうか。

この場合、Bさんの逆と考えればいい。つまり、なにもしていなくても毎年2.5kgずつ太るということになる。これは、言い換えると、Bさんよりも「太りやすい体質」なのである。

よく「学生の頃に比べて、10kgくらい太った」という話をよく耳にする。しかし、毎年2.5kgずつ太ることを考えれば、これは驚くことでもなんでもない。

もちろん遺伝や体質の差もあるかもしれない。しかし、基礎代謝による影響のほうが遥かに大きいと考えて良いだろう。

基礎代謝って上げられるの?

基礎代謝が高いほうがダイエットに有利だということがわかった。

そこで、気になるのは「基礎代謝は上げられるのか?」ということだ。

結論から言うと、可能である。

しかも、遺伝や体質に関係なく、ポイントさえ抑えれば、誰でも基礎代謝を上げることができるのだ。

基礎代謝を上げるには「筋肉」を増やすこと。

先ほどの図をもう一度見てみよう。

基礎代謝のうち、最もその割合を占めているのは「筋肉」である。

つまり、筋肉を増やせばそれだけ基礎代謝が上がるということ。

実際にInbody(体組成計)で測定すると、筋肉の多い人ほど基礎代謝が高く測定される。

そして、ここがポイントであるが、心臓や脳などの器官は増やすことができないが、筋肉は増やすことができるのである。

基礎代謝を上げるなら「筋トレ」がオススメ!

基礎代謝を上げるには、筋肉を増やすこと。

では、筋肉を増やすには、どんな運動が良いのか。

基本的にはどんな運動でも構わない。というのも、運動習慣がない人は、どんな運動でもそれなりの刺激が筋肉に与えられるから。それだけで、一定のレベルまでは筋肉を増やすことができる。

むしろ、ジムに行ったり、特別な器具を使わなくても、自宅で自体重を使った筋トレで充分である。

真剣に取り組めば、1〜2ヶ月で基礎代謝を20kcalほど上げることは可能だ。1日20kcalということは、1年で7,300kcal。ちょうど体脂肪1kgくらい。つまり、少し筋肉をつけるだけで、何もしていなくても毎年1kgずつ痩せることができるのだ。

もちろん、なにもしなければ加齢によって筋肉はどんどん衰えていく。大雑把に言ってしまえば、それだけ自然に太っていく可能性もあるということだ。

今回のまとめ

今回は、基礎代謝について解説させていただいた。

1日単位で考えると微々たるものではあるが、年単位で見るとなかなかの数字になることが分かっていただけたと思う。

大人になると1年なんてあっという間である。だから、5年後、10年後に「自分はどう在りたいのか」を考えることはとても大切だ。

なお、基礎代謝は、家庭用の体組成計でも計測できるが、正直、あまり信用しない方がいい。というのも、メーカーや品質によって結果にバラつきがあるから。

もし少しでも正確な値を知りたいという人は、Inbodyのような業務用の体組成計が用意されているフィットネスジムを利用するといい。

僕のジムでも「Inbody570(世界最新モデル)」を置いているので、体験レッスンの際に計測することが可能だ。もっと自分の体のことをきちんと知りたい、という方は、ぜひ足を運んでいただきたい。

あなたも基礎代謝を上げて、太りにくく、痩せやすい体質を手に入れよう。

体質は、自分の意思でつくることができる。